PROJECT STORY

年間数千万人を駅からビルへ導くデジタルサイネージ。

挑んだのは、ネットワークで都市を再生するという日本初のプロジェクト。立ちはだかったのは、駅と街、建物と建物を結び、映像で人を呼び込むという難題。高い壁を、KSKはいかに乗り越えたか。これは、顧客の想いを叶えることで、自分たちの想いも実現した、あるチームの記録――

日本初、ネットワークで都市を再生する試み

2000年のある日、KSKはあるプロジェクトに、大手システム・ネットワークベンダーとともに参画する。

顧客は日本を代表する不動産デベロッパー。バブル期以降、東京やその周辺では再開発が進んだが、このデベロッパーが多くの建物を所有していたのは、古くからのオフィス街だ。新興オフィス街が脚光を浴びるのと対照的に建物の老朽化が進み、「時代遅れ」との声もささやかれるようになっていた。

デベロッパーはこの街の再生を決める。しかし、古くなった建物をただ改修するだけでは真の再興とならない。そこで目を着けたのがネットワーク。街中に光ファイバー網を巡らし、それによって複数の建物を管理、オートメーション化を実現するという。日本初の試みだ。

ハイビジョン・デジタルサイネージという壁。

KSKは「デジタルサイネージ」を担当することになった。デジタルサイネージとは、ネットワークに接続したディスプレイを使い情報を発信するシステムのこと。だが、デベロッパーが考えていたのは単なる広告塔ではない。最寄りの駅から情報を流し、たくさんの人々を導くことで街全体を活性化しようというのだ。

技術的難易度は高い。光ファイバー網構築の一番の目的は、照明や空調の自動制御、あるいは災害時のライフライン確保など建物のインテリジェント化だ。ここに使われる帯域にデータを流すことはできない。しかも、デベロッパーはハイビジョン映像を望んでいた。当然、多くのデータが必要である。

普通に考えれば無理という結論になる。しかし、代替案を提案しても、デベロッパーは頑として聞かない。チームメンバーは、なぜ、そこまでこだわるのかを聞いてみた。答えは、意外なものだった……

自分たちの理念とは?自問の果てに。

「これは、私たちの理念に関わることなんです」。そうデベロッパーの担当者は話し始めた。――私たちは、建物ではなく街をつくる企業。私たちの所有するほとんどの建物に、看板がないのはお気づきですか?私たちは街の景観を第一に考え、ネオンサインや看板を使わないようにしています。

今回のプロジェクトは、街を活気あるものに変えるのが目的ですが、だからといって、看板が溢れかえる街をつくり出すことはできないんです――KSKのメンバーは胸を打たれた。そこまでの想いが、デジタルサイネージに込められていたとは。

これを受けてメンバーは考える。自分たちの理念、仕事への想いって何だろう?すぐに答えは出ない。何度目かの話し合いの末に出た答えは、「自分たちの技術で世の中を変える」だった。それがしたくて、それができるKSKに入ったのじゃないのか。チームの全員がうなずく。
なら、実現するのみ!――チームの挑戦が始まる。

「分かりますよね?」苦笑するメーカー。

ネットワークを構築するには、高性能のハブ・ルーターが欠かせない。KSKは、早速、メーカー10数社に連絡を取り、要件を話した。だが、答えはすべて「No」。

技術力のない企業ではない。どれも日本、世界を代表するメーカーばかり。つまり、今の技術では不可能ということだ。「わかりますよね?」付き合いの深いメーカーは苦笑いしながら言った。そのぐらいわかってる!しかし、デベロッパーの、そして、自分たちの想いがかかっているんだ、退き下がるわけにはいかない。

チームメンバーは考える。要件を伝えるだけでは、メーカーの回答はいつまでたってもNoだろう。ならば、「これなら可能」というものを自分たちで考え、提示するしかない。日本はもちろん世界にも答えがないなか、チームは試行錯誤を重ねた。何度も何度も。ときには夜を徹して……

「こんなものを見るために来たんじゃない!」

響く怒号。

数カ月後、デベロッパーはKSKから連絡を受ける。デジタルサイネージが実現したというのだ。映像制作会社のプロデューサーとともに向かったのは、東京を遠く離れたあるハブ・ルーターメーカーの工場だった。待っていたのは、KSKのチームメンバーと100台のモニター。デジタルサイネージで用いるサイズのモニターが日本にはなかったため、100台をつなげて同じ環境を実現したのである。

照明が落ちる。「画像をお見せします」とKSKのメンバーが言って、モニターに画像が流れた。しかし、流された画像は途切れ途切れ、挙句の果てに映像はフリーズする始末……「こんなものを見るために、こんな田舎まで来たんじゃない!」プロデューサーは激怒、デベロッパーにも落胆の色が漂う。

「では、次の映像をご覧ください」。 ――見事だった。これぞハイビジョンという画質、それが最後まで滑らかに流れる。「これだよ、やりたかったのは!」プロデューサーが笑顔で叫ぶ。デベロッパーにも安堵の表情が広がった。

試行錯誤の果てにたどり着いた「帯域制御」という答え。

二つの映像のデータに違いはない。ただ、二番目の映像には「帯域制御」が施されていた。その違いを感じてもらうために、KSKは、あえて二つの映像を流したのだ。

KSKチームが何日にもおよぶトライ&エラーの果てに出した答えが、帯域制御だった。流すデータに優先順位をつけ、それにより、ライフラインの部分に干渉させず大量のデータを流すというもの。また、データが飽和したらその部分を表示しないようにする。もちろん画質は落ちるが、大画面に表示し、見る人も凝視しないデジタルサイネージなら十分堪えられると踏んだのだ。

この方法にも、ハブ・ルーターメーカー10社のうち9社は「No」と言った。「難しいですがやってみましょう」と答えた1社が、工場に100台のモニターを用意したメーカーだった。KSKチームとこのメーカーは、データの優先順位のつけ方、順次流す方法などについて★カ月近く試行錯誤を重ねた。その結果が、デベロッパーたちの前で流した映像だったのだ。

想いを想いで返したのがうれしい。

それから10年以上。今日も、デジタルサイネージの画面には、ブティックやレストランをはじめ、さまざまな画像が流れている。もちろん、デジタルサイネージだけの功績ではないが、シンボルであるビルをはじめ、街には毎年数千万人が訪れ、ショッピングやレジャーを楽しんでいる。
この街に、今や「時代遅れ」とささやかれた古いオフィス街の面影はない。デベロッパーの想いは見事に形となった。「デベロッパーの想いに、自分たちの想いで返せたのが何よりうれしい」。プロジェクトメンバーの言葉だ。

それ以降、同様のプロジェクトをKSKは数多く手掛け、地方自治体や都市の景観を変えていく。「自分たちの技術で世の中を変える」。デジタルサイネージに参加したメンバーは、自分たちの想いも実現したのだ。
このチームに限らない。今日もどこかで、KSKは、技術で世の中を変えている。

プロジェクトストーリーに登場するメンバーが携わる事業、その他の様々なストーリーをご覧になるには以下リンクよりどうぞ。
続編が気になる方は公式facebookTwitterもご覧ください。
  • リクナビ2017
  • エントリー
    リクナビへのエントリーはこちら
  • セミナーエントリー
    会社説明会のエントリーはこちら
  • 資料請求
    パンフレットや説明会情報をご郵送させて頂きます
  • プレエントリー
    転職に興味をお持ちの方へ募集情報をご案内します
  • エントリー
    今後のキャリアをKSKで築いていきたい方は、コチラ!
ページの先頭へ
Copyright ©1996-2017 KSK. Co., Ltd. All rights reserved.