営業の概況
概要
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症が5月に5類感染症に変更され、社会経済活動の正常化が進み、雇用・所得環境が改善する状況下にインバウンド需要の回復等も相まって、緩やかな回復基調にあります。一方、ウクライナ情勢の長期・膠着状態化、中東情勢等の地政学リスクの高まりに伴う、原材料価格の高騰、エネルギー価格の不安定さに加え、世界的な金融引き締めや中国経済の停滞を背景とした景気後退の懸念等、景気の先行きは依然として不透明かつ流動的な状況が続くものと思われます。
当社グループが属する情報サービス産業界におきましては、企業の事業構造改革や働き方改革を促進しているDX(デジタル・トランスフォーメーション)に関わる、IoTやクラウドコンピューティング、生成AI関連市場等の拡大に加え、ハードウェアとソフトウェアの融合などがダイナミックな変革をもたらしています。また、「標的型攻撃」に代表されるサイバー攻撃への防衛策等、情報セキュリティ対策の重要性も一層高まっております。
このような環境の中、当社グループでは、デジタル技術の進化が加速する市場において、技術の知識と経験を兼ね備えた人材を確保すべく、報酬水準の見直し、就労環境の改善等、人的資本投資の拡充を進めてまいりました。また、新卒新入社員に対し5ヶ月にわたる基礎教育を実施する等、市場に柔軟かつ的確に対応できる人材の育成に向けた成長投資も積極的に行っております。これら人的投資によって培われた高い技術力をもって提供する付加価値の高いサービスにより、利益率の向上に努めてまいりました。さらに、持続的な事業発展には欠かせない新卒社員等の採用活動につきましても引き続き積極的に推進しております。
セグメント別売上推移
事業部門 | 売上高 | 前期比 |
---|---|---|
システムコア事業 | 3,823百万円 | 2.6%増 |
ITソリューション事業 | 5,239百万円 | 6.9%増 |
ネットワークサービス事業 | 12,714百万円 | 8.4%増 |
セグメント別サマリ
・売上推移
システムコア事業
今後成長が期待されるイメージセンサーなどの半導体設計並びに組込ソフトウェア開発の受注が伸長しております。医療装置の設計開発業務に関しても、より上流工程を担う等、引き続き堅調に推移している一方、半導体関連受注の回復の遅れ等から、売上高は3,823百万円(前連結会計年度比2.6%増)、セグメント利益は1,044百万円(同6.2%増)となりました。
ITソリューション事業
モバイル関連ビジネスや自社開発したパッケージソフトウェアの受注が引き続き伸長しております。その他のシステム開発、モバイルアプリ開発案件も契約条件の改善が進み、堅調に推移していること等から、売上高は5,239百万円(前連結会計年度比6.9%増)、セグメント利益は1,234百万円(同25.8%増)となりました。
ネットワークサービス事業
ネットワーク新規構築や運用・保守業務、情報セキュリティ関連など、企業や官公庁等の旺盛な需要に対し、受注機会を的確に捉え対応できるよう積極的に人材投資を行っております。その結果、売上高は12,714百万円(前連結会計年度比8.4%増)、セグメント利益は2,586百万円(同11.8%増)となりました。